「昔は、本人たちの意思にかかわらず『挙げない』という選択肢はありえなかった。親が主導して仲人を立て、式場や衣装選びにも親が同伴するのが当たり前でした。また参列者に失礼のないようにと、『このくらいの規模で、引き出物はこれ』など、親に言われるがままということも珍しくなかった。『お金を出すから口も出す』パターンです。ですが今は、本人たちが“やりたい式”を自由に選べるようになった。仲人を立てず、本人たちの呼びたい人だけを式に呼ぶようになってきました」(大和田さん)
実際に先月、少人数での結婚式を挙げた佐藤ゆう子さん(仮名・20代女性)は言う。
「旅行が夫との共通の趣味だったので、新婚旅行を兼ねて沖縄で家族と親しい友人だけで式を挙げました。参加者は両家合わせて20人にも満たなかったけれど、家族や友人と沖縄旅行を満喫できて、地元で大規模な披露宴を1日やるよりもずっといい思い出になりました」
過去、参列した経験を踏まえて、簡素な式にした人もいる。
「20代の頃、老舗旅館に嫁いだ中学時代の友達の式に呼ばれて行きました。盛大で格式高いお式だったけれど、新郎の仕事関係の挨拶ばかりが延々と続き、本人と話す時間はほんの数秒だけ。10年くらい交流もなかったから、人数合わせだったのかなあって…。なんだか興ざめしてしまって。
こんなふうに参列者に嫌な思いをさせるならば格式ばった結婚式はしなくていいと思い、私は行きつけのレストランで、親しい友人を集めて食事会をするだけにしました」(30代女性)
※女性セブン2017年11月9日号