「E型肝炎ウイルスの遺伝子型には、1型から4型までの4種類があります。1型と2型は飲み水を介して感染し、発展途上国で洪水などにより、大流行を起こすタイプです。これは人間にしか感染しません。3型と4型は人獣共通感染型で豚やイノシシ、シカなども感染します。中でも4型では劇症化によって死亡することもあります。また免疫能が低下した状態では、慢性化する可能性があります」(岡本主任教授)
豚やイノシシなどの動物は、感染しても発症しない。見た目で感染の有無がわからないため、しっかり火を通さないで食べると感染の危険性がある。特に4型は病原性が強く、高齢者や生活習慣病などの合併症がある場合は、劇症化など重篤な症状を引き起こすこともある。
さらに臓器移植や血液疾患、リウマチなどで免疫抑制剤を使っている場合は、慢性肝炎に移行する可能性があり、慢性肝炎を治療せず、放置すると約20%が死亡するという研究もある。とにかく侮らず、発症したら適切な治療を受けることが大切だ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年11月10日号