「募集すると、すぐに20~40人くらいの申し込みがあります。初心者向けの教室を卒業すると、皆さん“マイボール”を買って、上のレベルの『リーグ戦』に参加します。最高齢は88歳の男性です」(藤井浩一支配人)
シニア層急増の背景にあるのは、ボウリングの高い運動効果が健康維持に役立つことだ。スポーツ医学が専門の筑波大学・田中喜代次教授が解説する。
「ボウリングは有酸素運動なので、心肺機能を強化し、筋力アップや関節の可動域を維持する効果があります。また、ボウリング仲間と連絡を取り合ったり、スコアを計算したりすると脳に刺激を与えるので、認知症予防にもつながります」
ボウリングに目を向けるのはシニアだけではない。レーンの近くにバーやレストランを併設したり、豪華でオシャレな照明や最新の音楽を取り入れて若い世代を呼び込もうと工夫を凝らすボウリング場も登場、学生や仕事帰りのサラリーマンで賑わっている。
「食事をしてからボウリングをしたり、併設のカフェで仕事の打ち合わせをするサラリーマンなど、使い方はいろいろ。若い方は肩ひじ張らず、気軽にボウリングを楽しんでいます」(シブヤボウリング)
シニア層が集い、若者も楽しめる大人の社交場。かつて一世を風靡した昭和の国民的スポーツが甦る日も近い。
◆撮影/平郡政宏 取材・文/戸田梨恵
※週刊ポスト2017年11月24日号