このように、3社とも火や煙を出さず、周囲への迷惑も軽減させた加熱式たばこの特徴をアピールしながらも、紙巻きたばこと同様の喫煙マナーや配慮を呼び掛けている。
もちろん、税法上「パイプたばこ」に分類されている以上、加熱式たばこだけ特別扱いして、どこでも自由に吸える環境になることはないだろう。だが、そもそも国や行政で進められている受動喫煙防止の喫煙場所規制の対象に、加熱式たばこをどこまで含めるかで意見が割れているのも、消費者を混乱させる一因といえる。
「使用できる場所については、管轄する行政や、施設の管理者によって判断されるべきものと認識しておりますが、喫煙は禁止とされている場所でもプルーム・テックの使用は許容されることがあっていいと私たちは考えています。実際に複数の路上喫煙禁止条例において、加熱式たばこ製品の使用が喫煙対象から除外されているケースもあります。
また、民間の飲食店や事業所においても、喫煙は禁止するもののプルーム・テックであれば使用可とする場所も増えてきています」(前出のJT・林氏)
これはアイコスやグローも同様だ。最近ではメーカーの協力を得て、同じ喫煙所内でも紙巻きたばこ専用の喫煙スペースと加熱式専用スペースを仕切る所も出てきた。
発売から間がなく黎明期ともいえるだけに、加熱式たばこの新しい喫煙文化はこれから醸成されていく面もあるだろうが、普及が進めば進むほど分かりやすい共通マナーやルールづくりが必要になってくるだろう。