ライフ

死後の「献体」希望者が年々増加中、注目を集める理由とは

献体はなぜ増えているのか(写真:国際医療福祉専門学校提供)

 人が亡くなってからの“後始末”について、常識が大きく変わりつつある。親族や友人に葬式で見送られ、家の墓に入る──そんな“逝き方”が、当たり前ではなくなるかもしれないのだ。都内在住の会社員A氏が困惑気味につぶやく。

「60歳を前に保険の見直しプランを練っていたら、妻から『高い保険料を払って死亡保障を手厚くするのはもったいない。“献体”なら火葬費用もいらないようだし、考えてみたら?』と冗談交じりに言われました。1人娘にも『私が嫁いだらお墓を継ぐ人もいなくなるし、いいんじゃない』と追い打ちをかけられ、返答に窮しましたよ」

 近年、死後の「献体」が注目を集めている。献体とは、医学・歯学の研究や教育のために遺体を無条件・無報酬で提供すること。医学部や歯学部のある全国91の大学と「献体篤志家団体」と呼ばれる57の組織などが窓口になり、2017年3月末時点で28万人超が登録済みだ。10年前に比べて7万人増で、登録は年々、増加している。

「登録者が亡くなると葬儀業者らが遺体を引き取り、腐敗を防ぐためにホルマリン溶液を注入・保管し、大学で解剖に備えます。ご献体は尊い意志によるものですから、実習前には必ず教員・学生がご遺体に合掌し、敬意と感謝の念を捧げます」(国際医療福祉専門学校・増茂誠二主席顧問)

 篤志解剖全国連合会会長の松村譲兒・杏林大学教授は、現状をこう語る。

「制度が始まった50年代に比べて献体の社会的な認知が進み、最近は団塊の世代の登録者が増えている。解剖学教室の保管スペースが足りず、登録を制限する大学も出ています」

関連記事

トピックス

水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月13日、公職選挙法違反の疑いで家宅捜索を受けた黒川邦彦代表(45)と根本良輔幹事長(29)
《つばさの党にガサ入れ》「捕まらないでしょ」黒川敦彦代表らが CIA音頭に続き5股不倫ヤジ…活動家の「逮捕への覚悟」
NEWSポストセブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
女性セブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン