国内

何でもガラス張りに異論 素人の意見など無視してナンボ

東京五輪のマスコット最終候補たち(AFP=時事)

 小学校の学級会から国会議員による法律審議に至るまで、物ごとを決めるには多数決が正しい方法だと信じられているが、本当にそれで正しい選択ができるのだろうか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、どんな専門性の高い問題についても、素人も含めた多数決で決めるのが正しいという世の中の風潮に異論を投げかける。

 * * *
 東京五輪・パラのマスコット候補が3つに絞られ、来年2月22日まで行なわれる全国の小学生による投票で決定する。東京大会についてはエンブレムに始まりスタジアム、ボランティアの制服に批判が寄せられ、いずれも撤回された。今回も早速マスコット候補に「ポケモン、デジモン、妖怪ウォッチのジバニャン、ポンタカードのポンタに似ている」、とパクリを指摘する声が上がっている。

 エンブレムの時のようにさすがに撤回させるという動きは盛り上がっておらず、このまま決まるだろうが、「とりあえず他の応募作品も見せろと言いたい 多分、まともなのも結構あるんじゃないかな」など、候補作に納得いかないという意見がネット上に多い。

 いつから我々は公共的なことであれば何でもかんでも選考過程をガラス張りにするよう要求するのが当たり前、というメンタリティを獲得したのか。しかも、投票をしなくては公正性を保てないという空気も今や普通だ。税金を払っているのだから当然、ということはあるが、ある程度はその分野の専門家に委ねても良いのでは。

 そもそも、ロゴやキャラなんてものは最初は違和感があるものの、いつしか慣れてしまい、どうでもよくなるもの。私は1993年に富士銀行の口座を開設したが、同行は興銀と第一勧銀と合併し2002年4月1日、一斉にみずほ銀行となった。

「『みずほ』ってダセぇ。なんだよこのひらがなの名前……」とイライラしたが、1週間もすればすっかり慣れてしまった。2015年に撤回された五輪エンブレムがもしもあのまま採用されていたとしても、2年以上が経過した今、街中やCMで見ても何とも思わないのではなかろうか。

関連キーワード

トピックス

東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン