その結果、日本企業は目覚ましく発展・成長し、バブル時代に隆盛を極めた。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた1980年代、日本企業はニューヨークのロックフェラーセンターやコロンビア映画、ハワイのホテルなどを続々と買収し、時価総額でも日本の銀行やNTT、トヨタ自動車が世界の上位に名を連ねていた。
しかし、今では世界で時価総額10億ドル(約1000億円)のユニコーン企業(時価総額1000億円以上の非上場企業)として名前が挙がるのは、アメリカ企業108社、中国企業58社に対し、日本企業はわずかにメルカリ1社である(全217社/「CB Insights」11月10日時点)。しかも、そのメルカリですら、政府にいじめられて新規株式上場が難航しているという状況だ。
日本はメルカリのようなユニコーン企業が次々に登場し、それらを起業した“傑出した個人”がその功績に見合う高額報酬を得る、というロールモデルが増えないと、出不精になった若者たちの内向き思考は反転しないだろう。
※週刊ポスト2018年1月1・5日号