そしていよいよ“ゆく年くる年”が始まって「今年も終わりに近づいて参りました」なんてアナウンサーが話しはじめると、日本中の人々が手をつないでせーの! と新たな年に向かうような、なんと不思議な一体感。改めて数えてみれば、何十年味わってきた事だろう。
海外での大晦日もいいけど、やっぱりあの、ざわつきながらも、年明けと共にみんなで急におごそかになる瞬間というのは最高に愛おしく、日本に生まれた喜びの一つだ。
さて、まだ少し12月は残っているが、少し早めに新年の願いをひとつ。
「一寸先は笑み」
そう、この連載のタイトルだ。
勿論、元になっていることわざは、“一寸先は闇”。日々の出来事の一寸先には闇があるぞ! ではなく。未来のことは少し先の事でも誰にもわからないものだから…という、塞翁が馬のような意味なのをご存じだろうか。
禍福は糾える縄の如し、なども似ている。だからこそ、笑みを持って進みたい、と私はこのことわざを捻らせていただいた。少しくらいの苦い出来事は日々ある。よくある。いや、多々ある(笑い)。でもこの“一寸先は笑み”と、なるべく口角を上げて笑っていると色んな奇跡が起きる気がする。
ある朝、夫を送り出すとき、「何時に帰る? いってらっしゃい」というお決まりの言葉をやめ、「雨だから足元気を付けてね。仕事大変みたいだけど、応援してるからね~」と笑顔で言ってみたら、忙しい朝はそう笑わない夫が、ニコッと満面の笑みを見せた。
ふむふむ…私は学んだ。笑顔は連鎖するみたいだ。それからというものTV局に入っても私はずっと笑っている。不思議なくらい、皆さんが素敵な笑顔を返してくれる。結局、歩くところ歩くところ、花が開くように皆さんの笑顔が咲いていくから何より楽しい光景を頂ける。毎日が何十倍も楽しくなった。
マクドナルドさんの“スマイル0円”じゃないけど、まずは自分から率先して笑ってみれば、“一寸先は幸”であったのだ。シワが出来るから極力笑わないなんて思っていたあの頃、損をしていたなぁ…。では、どちらさまもHave a smile day。
撮影/渡辺達生
※女性セブン2018年1月4・11日号