ライフ

脳梗塞治療の定説覆す「骨髄」「他人の歯」を活用した治療法

新治療法への挑戦は続く

 脳卒中の大部分を占める脳梗塞は、発症するとそのまま命を失うこともあり、幸いにして一命を取り留めても後遺症に悩まされるケースが多い。

 脳梗塞治療で最大の難問は、「一度傷ついた脳神経組織は元に戻らない」とされる点だ。このため治療はリハビリによる機能回復がメインになる。

 この“定説”を覆そうと挑戦を続けるのが、北海道大学病院の川堀真人医師だ。昨年11月、川堀医師のグループは、脳梗塞の患者の骨髄から取り出した幹細胞を用いた再生医療の臨床試験に着手したと発表した。

「脳梗塞患者の骨髄から採取した幹細胞を培養して、脳がダメージを受けた部分の周囲に直接注射します。幹細胞の働きで脳神経組織が蘇り、運動機能が回復することを目指します」(川堀医師)

 北大病院はすでに2人の急性期脳梗塞患者に幹細胞移植治験を行ない、成果を挙げた。

「通常の治療では車いすになる可能性のあった患者が杖を持って歩けたり、立つ練習ができるようにまで回復し、これまで見込めなかった運動機能の改善が見られます。2018年は安全性を確認する治験が終了する見込みで、その後は効果を確認する治験に入る予定です。

 医学界の常識である『脳の細胞は一度死んだら修復できない』という説を覆す、希望の入口に立てたと思っています」(同前)

関連キーワード

関連記事

トピックス

度重なる不倫が報じられてきた歌舞伎役者の中村芝翫
【凄絶不倫】中村芝翫「アンジェリーナ・ジョリー似から熊田曜子似まで」三田寛子とは全く異なる愛人のルックス「好みは妖艶タイプ」
NEWSポストセブン
内田容疑者とともに殺人容疑がかけられている19歳のA子。内田容疑者のSNSにはA子が頻繁に登場していた
共犯の19歳A子を“舎弟”と呼んだ内田梨瑚容疑者(21) 殺害直後、タバコ片手にノリノリで『非行少女』を歌う姿をSNSに投稿 「頬を寄せながら……」【旭川・女子高生殺害】
NEWSポストセブン
草葉の陰で何を思うか
小澤征爾さん「お別れ会」に長男・小澤征悦と妻・桑子真帆アナは参加せず 遺産管理を巡り実姉との間に深い溝
女性セブン
訪英に向け、慎重を期されている(4月、東京・千代田区。撮影/JMPA)
【消せないトラウマ】雅子さま、訪英直前の記者会見は欠席か ロンドン到着後の日程も不透明 「慎重すぎるのでは…」との指摘も
女性セブン
殺人未遂容疑で逮捕された笹山なつき容疑者
《鹿児島2歳児カッター切りつけ》3月末に10人退職…“要塞”と揶揄される保育園の中で何が「口調の強い園長先生」「新卒職員が2カ月で髪ボサボサで保護者会に…」近隣住民語る10年前の異変
NEWSポストセブン
坂口憲二(時事通信フォト)
映画『キングダム』“第5弾以降”の撮影が7月に開始へ、坂口憲二が出演か 『教場』で共演した木村拓哉が復帰を後押し
女性セブン
殺人容疑で逮捕された内田梨湖容疑者(SNSより)
《強気な性格の私も愛して》内田梨瑚容疑者がSNSの写真転載にキレた背景に加工だらけのTikTok投稿【旭川・女子高生殺害】
NEWSポストセブン
「完封デート」の小笠原慎之介選手(時事通信)
中日・小笠原慎之介“北川景子似美女”と焼肉→ホテルの「完封デート」撮 “モテないキャラ”も育んでいた遠距離愛
NEWSポストセブン
自転車を取り締まる警視庁の警察官(イメージ、時事通信フォト)
自転車「逆走」が招く重大事故 ドライバーには「一時停止無視のママチャリ」も恐怖
NEWSポストセブン
殺人容疑で逮捕された内田梨瑚容疑者(SNSより)
《17歳の女子高生を殺害》昼は化粧品店で働いた内田梨瑚容疑者(21)が旭川の繁華街「未成年飲酒・喫煙」界隈で見せていた「ヤンキー系」素顔
NEWSポストセブン
三田寛子と中村芝翫夫婦の家で、芝翫と愛人が同棲しているという
【不倫真相スクープ】三田寛子、実家を乗っ取られた? 中村芝翫と愛人の生活が“通い愛”から同棲に変化 ガレージには引っ越しの段ボールが山積み
女性セブン
黄色の旗を掲げることで安否を確かめ合う「黄色い旗運動」
迷惑を最小限に抑える「理想の孤独死」を叶えるにはどうすればいいのか? 「早く見つけてもらう」ために活用すべき官民サービス、アプリなど
女性セブン