このような武帝の大騎馬軍団の再現を目指したのが陳氏だ。陳氏がアハルテケを知ったのは2000年に当時の江沢民国家主席がトルクメニスタンを訪問した際、同国政府からアハルテケを贈られたこと。同国は2006年にも同国を訪問した胡錦濤主席にアハルテケを贈っている。
この美しさに魅かれた陳氏は「馬は古代から中国のシンボルだった。いまはほとんど中国にはいなくなったアハルテケを再び集めよう」として、2009年からトルクメニスタンでアハルテケを購入し始め、1頭1億円以上する馬をいまは300頭所有。飼育員も100人以上雇い入れて、新疆ウイグル自治区のウルムチ郊外に「アハルテケ馬文化公園」を開園し、中国におけるアハルテケの拠点として、今後8年以内に計1000頭を集める予定だ。
陳氏は「サウス」紙の取材に対して、「アハルテケは武帝の時代のシルクロードを通じた交流によってもたらされた。いまの習近平国家主席は一帯一路構想で、かつてのシルクロードを通じた交流を現在に蘇らせ、中国を強大な国家にしようとしている。私は今後、アハルテケを世界中で走らせて、中国のシンボルとして活躍させたい。これは習主席が訴える『一帯一路』や『中国の夢』の精神にかなっていると思う」などと語っている。