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ハイスペック男に選ばれる港区女子、選ばれない港区女子

 またある時、ユタカは女癖の悪さを露呈したことがあった。

 カスミは彼を愛するあまり「その女と電話させてよ」と怒り、エリカは「(どうせ何言っても無駄だし)そんなあなたもあなただよね」と受け流した。

 ユタカは思った。「エリカは本当に俺を愛してくれている」。2人は結婚し円満である。

 男は、経過より結果を大きく捉えて考える生き物だと思う。自分の感情のすべてを話し、辛い気持ちを理解してもらおう、汲み取ってもらおう、優しくしてもらおう、と考えても意味がないことが多い。

 特にハイスペ男は、女性を幸せにしたい(俺にはできる)という思いが強い。目の前にいる女が泣いているか笑っているかで、印象が変わる。容姿を磨くことはもちろん大切だが、エリカのようにハイスペ男に選ばれるための捌き方を覚えることが必要なのだ。エリカだって、かつては嫉妬し泣きわめくタイプの女だった。彼女は、数々の男にふられていたが、そこから学び、向上していた。

 もし何をしてもハイスペと進展がないなら、「私は選ばれているはず」「愛されているはず」というように、自己評価が高すぎるのだ。高望みせずに自分の位置を知り、本命への合格のために努力しなければならないのは、受験と同じなのである。

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