●疑問2 憧れのゲームクリエイターになるには、プログラミングが必要?
プログラミングを学ぶ子供たちの中には、「ゲームをつくってみたい」「将来ゲームクリエイターになりたい」という子も多いようだが、プログラミングを学べばゲームクリエイターに近づけるのだろうか?
前述の書籍『サイバーエージェント公式 こどもプログラミング』には、子供たちの憧れの職業ゲームクリエイターたちが何人か登場している。ゲームクリエイターと言っても、実は職種は多岐にわたる。プログラマー、プロデューサー、デザイナー、イラストレーター、サウンドクリエイターとさまざまだ。彼ら全員がプログラムを組めるというわけではない。実際に専門知識が必要とされるのは、プログラマーぐらいである。しかし彼ら全員が口を揃えるのは、「(自分で難しいプログラムは組めないけれど)プログラミング知識はある」ということだ。ゲームに関する会議だけでなくちょっとした雑談でも、簡単なプログラミング知識があるのが前提で会話しているという。
ゲームクリエイターに限らず、今、多くの企業で同じように、簡単なプログラミング知識を求められることが多くなっているのではないだろうか。
●疑問3 将来、プログラマーやエンジニアになることは成功の近道なのか?
ITがあらゆるビジネスと密接に関わりつつある現代で、プログラマー不足は世界中でますます顕著になっている。同スクールの親会社であるサイバーエージェント代表取締役・藤田晋氏は、「長い間、英語教育が必須と言われてきましたが、今後のグルーバル社会では英語よりもプログラミング能力が求められる場が拡大していくと思います」と語る。
実際、サイバーエージェントでは、優秀なエンジニアやプログラマーの人材確保に注力してきた。例えば同社では、「テクニカルクリエイター」という他にはない職種を2016年に新設。従来、IT企業などでは、デザイナーとプログラマーはそれぞれ専門職として分かれていたが、デザインだけでなくプログラミングにも明るい人材、双方の垣根を超えられる人材こそがこれから必要であると考え、藤田氏はそうした人材を育成していくことを決意表明した。
「当スクールでも、プログラミングを習得した生徒たちから、もっとトップ画面を格好良く見せたい、自分好みのキャラクターをつくりたい、というデザイン面での要望が増えてきました。そこでクリエイティブツールを提供するアドビ社と共同で子供たちにデザインとプログラミングの両方を教える特別プログラムも始めています」(Tech Kids School広報)
エンジニアやプログラマーなど技術者に求められる内容も、どんどん変わってきているという。技術の進化スピードは速く、主流のプログラムなども移り変わりがはげしい。それでも基礎の概念、考え方が身についていれば、どんな職業にも役立てられるのが「プログラミング的思考」だという。
実際にスクールに通う子供たちは必ずしも全員がプログラマーやゲームクリエイターを目指しているわけではないそうだ。