バスロータリーがある渋谷駅西口の東急前
三軒茶屋駅→渋谷駅間を田園都市線で移動すると、所要時間は約6分。対して、バスは約13分。バスの場合は道路事情や天候により、さらに時間を要する。そうした事情もあり、「バスの所要時間をお示しすることはしておりません」(同)と言う。
鉄道よりもバスは時間が読めない。定時性に欠けるバスは、通勤や通学では忌避される傾向にある。
しかし、田園都市線で渋谷駅まで乗車し、そこから再びバスに乗車する。その手間を考えれば、三軒茶屋駅からバスに乗ってそのまま会社に向かうという新しい選択肢が増えることは利用者にとってプラスだ。
「バスも!キャンペーン」は、2018年1月から適用範囲を拡大。三軒茶屋駅よりもさらに西側にある「上馬」と「中里」のバス停からも利用できるようになった。
「適用範囲を拡大したのは、お客様からの要望が強かったからです。通勤時間帯の同区間には、もともと東急バスが3~5分間隔で走っています。そのため、バスを増発する必要がなかったこともキャンペーンを開始する大きな要因になっています」(同)
今般、バス業界も人手不足で運行本数を減らす傾向にある。そのため、鉄道の代替手段としてバスを使うという方法は、一時しのぎでしかないのかもしれない。
しかし、東急は鉄道とバスとが協力することで、共存共栄の関係を築くことができるというモデルケースを示した。
東急のみならず、鉄道各社は系列にバス会社を抱える。今後は鉄道とバスのコラボレーションによって、新たなサービスが生み出されることになるだろう。