「スーパーの安売り食品や『期間限定』『数量限定』の食品を買いだめし、結局は使いきれなくてゴミ箱行きとなる“直接廃棄”が原因の1つです。調理の際に、野菜や肉の食べられるところまで切り取る過剰除去も、フードロスを増やすことに繋がっています」
食に対する私たちの姿勢が282万tもの食料廃棄を生んでいる。「フードロスを生む買い物チェックリスト」を掲載したので、ぜひチェックしてほしい。井出さんはさらに、厳しすぎる日本の賞味期限の問題にも踏み込む。
「日本では食品検査をしておいしく食べられる目安の期間を決めた後、その数字に安全係数をかけます(国の推奨は0.8以上)。検査で10か月はおいしく食べられると認定された場合、8か月が賞味期限になります。
実際には0.8より小さな0.5や0.6をかけて賞味期限を短くする企業も多くある。“1つのリスクも許さない”という日本人の安全志向がフードロスを生み出しているといえます」
スーパーで食品を買う時、棚の奥にある日付の新しいものを手に取る人間が多いのも、日本の鮮度信仰が生み出した光景である。
「売れ残った“手前の商品”は廃棄されることになります。賞味期限はあくまでおいしさの目安にすぎず、保存法を守れば多少の日にちが経っても食べられる。“棚の奥に伸ばす手”がフードロスを生み出すことに気づいてもらいたいです」(井出さん)
※女性セブン2018年3月22日号