3つ目の「微妙にポイントをずらしながらきっちり謝っておく」も、とっても大切です。佐川氏は証人喚問の最後のほうで、「国民が知りたい真相を解明できたと思うか」という質問に対して、具体的には答えられていないので「ご満足できていないだろうと……」と言いつつ「行政の信頼を揺るがすようなことになりまして、本当に国民のみなさんに申し訳ないと思っております」と謝罪の言葉を述べました。
自分のことは巧みに脇に置いて、いきなり「行政の信頼」と話を広げて謝っているところがさすがです。浮気疑惑を追求されて、妻に「ぜんぜん納得できない」と怒られたとしても、「俺のせいで」なんて言ってはいけません。「世の中の夫に対する信頼を揺るがすようなことになって申し訳ない」と、微妙にポイントをずらしながら謝っておきましょう。
この3つの極意を身に着けておけば、いつ浮気を追及されても大丈夫です。そして、佐川氏の証人喚問でもっとも学びたいのは、どんなに不自然な言い逃れでも、あくまでもシラを切り通せば、怒っている側はそのうちトーンダウンするということ。実際、証人喚問が終わってからの世間は、何となく「一段落した」みたいな雰囲気になっています。このまま尻すぼみになってしまうのかどうかは、まだわかりませんが。
浮気疑惑を厳しく追及されて、シラを切り通すことに疲れてきたときには、佐川氏の顔を思い浮かべてがんばりましょう。ただ、妻の追及が議員たちのように手ぬるいとは思えないし、世間のように忘れっぽいということはまずありませんね。みなさま、どうかくれぐれもお気を付けください。いや、もちろんバレないようにではなく、そういう不埒な行為をしてしまわないようという意味です(時流を意識した大人の締め)。