国内

公立小学校で進む二極化、ステータス校と不人気の定員割れ校

3人が入学辞退も、残りは全員アルマーニ着用

 アルマーニの制服で賛否両論集まり、注目を浴びた泰明小学校。蓋を開けてみれば、新入生55名全員がアルマーニの制服を着用して入学した。むしろ、「泰明ブランド」に憧れて入学させる保護者にとっては、価値の底上げにつながっていたようだ。

「泰明小はブランド」。そう考える母親がいるように、現在公立校の中でも、泰明小のように通うことがステータスとなる学校と、不人気で児童数が減ってしまう学校との二極化が進んでいる。

 教育評論家の親野智可等氏が解説する。

「二極化が生まれるきっかけは2000年頃から全国の公立学校で導入され始めた『学校選択制度』。この制度によって子供たちは学区外の学校にも通えるようになり、行きたい学校を選べるようになった。その結果、泰明小のようにセレブで教育熱心な母親たちが集まる学校がある一方で、児童が集まらず3クラスから2クラスに減ってしまうような学校も出てきました」

 泰明小の他にも、英語教育のモデル校となっている渋谷区の神宮前小学校や、電子黒板やデジタル教材の活用が行われている杉並区の桃井第三小学校など、入学希望者が殺到する人気校は多数ある。

 実際、人気校と不人気校の間には、児童の学力や授業内容にも大きな差がある。泰明小に通う子供を持つ母親が言う。

「泰明小はほとんどの児童が中学受験をするため、学力や授業の理解度はかなり高い。そんな環境で学べるのは大きい。また、授業の内容も3つ星ミシュラン店『銀座小十』の料理人が給食を作りに来たり、子供たちが歌舞伎を演じる発表会『こども歌舞伎』があったりと、一流のものに触れられる機会に恵まれています」

 騒動のさなかでは、麻生太郎財務相までもが「8万円は結構高いもんだなと思います」とコメントするなど、日本中を議論に巻き込んだ“アルマーニ”問題。だが、ふたを開けてみれば騒いでいるのは外部だけだったのだ。

 とはいえ、公正取引委員会の調査によれば2016年の公立中学校の学校制服の平均値段は約3万3000円。やっぱり庶民には、アルマーニ誕生の地・イタリアのミラノくらい遠い話でした…。

※女性セブン2018年4月26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン