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中国政府の仮想通貨規制で行き場を失ったカネが裏カジノに

摘発されたのは氷山の一角か(写真:アフロ)

 金融緩和に端を発する世界的なカネ余りは各所で様々な事象を引き起こしている。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 いま中国では行き場のない資金がうなりを上げているといわれる。北京の夕刊紙の記者が語る。

「中国政府が仮想通貨の取引所を矢継ぎ早に閉鎖したことで、それまで仮想通貨に流れていた資金が行き場を失い、海外の市場に向けて流出するという現象が顕著になっているようなのです。そこで政府も慌てて仮想通貨の市場をあらためて整備するなどの対応をしたのですが、せっかちな投資家たちは高利回りの商品を求めて資金を動かしたようなのです」

 こうしたケースでは、いうまでもなくカネは裏表関係なく流れ込む。というわけで、ついにというかやっぱりという、受け皿として出てきたのが、国内の裏カジノである。

 しかも廃船間近のオンボロの貨物船をカモフラージュ的に改造して川に浮かべるという手の込んだものだった。

 場所は江蘇省鎮江丹陽市の京杭大運河。営業の中身は、常州を拠点に午後9時に出発して川を上ったり下ったりしながら深夜まで賭け事を楽しむというものだった。

 川に浮かべた貨物船と聞けば、小規模なものを思い浮かべるが、そうでもなかったようである。察が踏み込んだ時点で、船内で賭博をしていた者は計34人。組織の関係者70余名が逮捕されたという。CCTV(中国中央電視台)を中心に各紙・テレビが大々的に報じたニュースだが、これが単発の問題と受けたものはほとんどいなかったに違いない。

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