国内

学歴フィルターの有効性に疑義 受験秀才は画一思考の欠点も

旧態依然の学歴主義に風穴をあけられるか

 就活シーズンまっただ中のいま、リクルートスーツに身を包んだ学生たちの姿をあちこちで見かける。超売り手市場といわれるだけあって、学生たちの表情は明るい。しかし、だれにも希望する就職先への門戸が開かれているわけではない。いわゆる「学歴フィルター」が存在しているからだ。同志社大学政策学部教授の太田肇氏が、改めて学歴フィルターの有効性を問う。

 * * *
 企業が新卒採用にあたり、いまだに学歴フィルターに頼っている現実があることは、学生にとっても周知の事実である。旧帝大や早慶などを筆頭にした大学ランクがあり、例外はあるものの有名企業、人気企業ほど高いランクの学生に絞って採用しているのが実態だ。

 企業にとって、かつては大学の偏差値に基づくフィルターが有効だったのは間違いない。明治以降、そして戦後加速したキャッチアップの時代には、先進国の技術やビジネスモデルなどをいち早く取り入れ、自社に応用することが企業の成長と繁栄につながった。それに適した人材が、いわゆる「受験秀才」だったのである。

 また幅広い知識を備え、それを応用して効率的に正解へ導く能力や、逆境・悪条件のもとでも頑張って仕事を成し遂げる精神力も、大学の偏差値とかなりの相関が高かった。したがって偏差値の高い大学の学生を採用しておけばよかったわけである。

 しかし、IT化やグローバル化の波が押し寄せた20年ほど前から状況は変化している。

 まず、価値の源泉が物質すなわちハードウェアから、技術や知識のようなソフトウェアに移り、情報が瞬時に伝播するようになるとともに、世界の企業が横一線で競争する時代に入った。そして、「キャッチアップ」という言葉さえ死語になってしまった。

 またIT化の進展により、多くの業種や職種で定型的な仕事が大幅に減少した。同時に一般的な知識を応用し、迅速に正解へ導く能力もコンピュータにお株を奪われていった。

「これからは高度な専門的知識や論理的思考力こそが大切だ」という言説が広がり、大学教育でも専門的知識を身につけさせたり、論理的思考力養ったりすることを重視するようになった。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン