「がん検診での偽陽性は、精密検査で否定されるケースがほとんどですが、精密検査でもがんと診断されるケースが少なくない。ところが、その後に治ったと言われれば患者は“誤診”を疑いません。
何かに違和感を抱くなどして再検査をしない限り、気付かずに見過ごしてしまうケースが多いのです。だから全国の統計データでは出てこない。実はがん検診が『がんであることを見つける』という目的の他に、『良性のものまで拾い上げる』側面があることを忘れてはいけません」(同前)
現実には、偽陽性による悪影響は小さくない。必要のない手術で、健康な肉体にメスを入れ、放射線治療、抗がん剤治療などを受けて、体に無駄な負荷をかける“悲劇”も起きている。
※週刊ポスト2018年6月1日号