自転車の2人乗りは原則違法だが、6才未満の子供は幼児用座席を利用すれば問題ない。また東京都など、子供をおんぶひもで背負って自転車に乗ることを認める自治体はあるが、体の前に抱いての運転は全国で認められていない。
問題は、こうしたルールが世に浸透していないこと。本誌は都内のママたちに、だっこをしながらの自転車運転が禁止されていることを知っているか聞いた。
「知りませんでした。みんな、子供をだっこして乗っていますよ」(28才会社員)
「ママ友内でも知られていません」(33才事務員)
愛するわが子を事故に巻き込まないためにどうすべきか。
「子供の足が巻き込まれないよう、車輪にはカバーを付け、乗車時は必ずヘルメットを着用させる。乗車時は荷物を載せてから子供を乗せ、降ろす時は子供を最初に降ろすことを徹底することが重要です」(山中さん)
「自転車選び」も重要だ。
「子供を乗せるなら、安全基準を満たした『BAAマーク』が貼ってある自転車を利用すべき。基準外の自転車にチャイルドシートを取り付けるのは危険です」(谷田貝さん)
何より気をつけたいのは「日頃からの心がけ」だ。
「自転車は不安定な乗り物だと自覚して、常に注意することを心がけたい。とくに乗降時と停止時は子供から目を離さないこと」(山中さん)
最近はイクメンパパが子供を乗せて自転車を漕ぐ姿もめずらしくない。大事なわが子を守るため、夫婦で“チャイルドルール”を身につけたい。
◆チャイルドシート付き自転車の危険なポイント
【携帯電話にイヤホン】
危険なママさんライダーたちの中には、子供を乗せているにもかかわらず、携帯で話しながら爆走する人やイヤホンで音楽を聴きながら奇声をあげる人も。片手運転はバランスを崩して転倒の原因に。イヤホンも、周囲の音が聞こえづらくなったり注意力が散漫になる。
【ハンドルに大量の荷物】
子供を乗せると、車体が重くなるので、通常よりブレーキが利きにくくなる。ハンドルに荷物をかけていたり、速度を出しすぎていると、交差点や下り坂で事故を起こす可能性が高くなる。
【「BAAマーク」がついた自転車】
BAAマークは、一般社団法人の自転車協会が「安全基準を満たしている自転車」と認定する自転車に貼り付けているもの。つまり、このマークが貼ってある自転車は、構造的に安全だという意味だ。幼児用座席付自転車を購入する時はこのマークが貼ってある自転車を選ぶようにしたい。
【子供も親もヘルメット着用が理想だが…】
「子供が嫌がるし、重そうだから」と着けていない人も多いが、日本では法律により2008年から子供のヘルメット着用が「努力義務」となっている。本来であれば、安全ために親も着用したい。
※女性セブン2018年6月21日号