当然、新型モデルの人気も上々で、納車まで半年待ちぐらいは当たり前、1年ぐらいかかるかもしれないケースが続出しているらしい。
また、ジムニストの間では、「再来年の2020年、デビュー50周年記念モデルが出るだろうから、それまで待つ」とか「数年後に出るはずの特別仕様車のランドベンチャー待ち」など、長年乗ってきたファンならではの声が出ているほか、「家族で乗りたいけど、軽は規格の制限で無理だから、小型車のジムニーシエラに将来、全長を伸ばした5ドアを出して欲しい」といった要望まで、ネット上ではメーカーの先回りをして大盛り上がりだ。
5ドアについては確かに、30年前の1988年にデビューしたスズキの小型四輪駆動車「エスクード」(同車も当初はラダーフレームでパートタイム4WDだった)には追って「エスクードノマド」という5ドアバージョンが追加されており、メーカー側も「まずは3ドアでいきますが、追々、市場の声も聞きながら検討はしていきたい」と前向きな様子ではあった。
昨今、日本市場が縮小して自動車メーカーの欧米市場依存が高まった結果、どのクルマもどんどんサイズが大きくなり、連れて相対的にクルマの価格も上がっている。その中で、スズキは2012年11月に米国市場からの完全撤退を表明し、日本と欧州、それにスズキが席巻中のインド、その他アジアが主戦場となったことも相まって、国産メーカーの中で日本のユーザーに合ったサイズのクルマを、最も多く投入している印象だ。
今後、「スイフト」や「イグニス」など海外でも販売しているコンパクトカーに交じって、海外でもジムニーシエラ乗りのジムニストが増えていきそうだ。
●文/河野圭祐(ジャーナリスト)