日々の生活の足となり、仕事道具となるなど、長い年月を車とともに過ごしてきた高齢ドライバーが、運転をやめたり免許返納を迫られている。そんな社会の流れに従う人、抗う人はどんな感情を抱いているのだろうか。プロフゴルファー・沼沢聖一氏(72)に聞いた。
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74歳で運転免許証の書き換えですが、80歳になったら返納しようかなと思っています。その頃にはすべてにおいて鈍くなるだろうし、物損ならまだしも、人を傷つけたら取り返しがつかないですから。
僕は今も現役のプロゴルファーとしてプレーやレッスンをしていますが、やはり年齢を重ねると目から入る情報を処理し切れなくなって、注意力が散漫になります。
車の操作にも影響するため、できれば自分で運転したくないのだけど、ゴルフバッグを積んで“職場”に通うにはどうしても車が必要です。だから都内では法定速度を守って走り、高速道路でも100キロを出すことはなく、追越車線にも入りません。ずっと走行車線をノロノロと走っています。
特に、周りが見えづらくなる夜の時間帯はハンドルを握らず、日の短い冬場はなるべく電車で移動するようにしています。歩行者や自転車、バイクにもこれまでの何倍も気をつけています。