調達・購買業務コンサルタントの坂口孝則氏は、別の懸念を指摘する。
「セブンの生ビール販売には大きな可能性がある一方、テスト販売から本格販売するまでにはいくつかのハードルがあります。大きいのが未成年飲酒や飲酒運転のリスクが増えること。店内が混雑した際に未成年かどうかの確認時間がきっちり取れるかどうか。飲酒運転については、車で来ているかどうかの確認は難しく、提供してしまうと店側の責任が問われてしまう。こうした課題をどうクリアするか。現状は可能性とリスクを天秤にかけて、いったん中止としたのでしょう」
一方、前出・永井氏はこう予測する。
「セブン側は中止の理由として『予想以上の需要』を挙げている。つまり、かなり売れるという見込みがあるのは確実。遠からぬうちに態勢を整え直して、テスト販売から本格販売に踏み切る可能性は高いとみています」
顧客需要を貪欲に飲み込みコンビニ戦争を牽引してきたセブンが意地を見せるか、それとも“生ビールの金脈”は泡と消えるのか。
※週刊ポスト2018年8月3日号