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なぜ西洋医学の名医たちも「漢方」を信頼しているのか

なぜ西洋医学のプロが頼るのか

 漢方薬市場は2000年代以降、拡大傾向にあり、医療用漢方製剤は現在、約1500億円の市場規模となっている。8割超のシェアを持つツムラはこう説明する。

「近年、漢方薬の効果に関する科学的根拠が次々と明らかになり、それに伴って処方も増えています。業界団体(日本漢方生薬製剤協会)の調べによれば、患者に漢方を処方したことがある医師は89%にのぼります」(コーポレート・コミュニケーション室広報グループ)

 とりわけ、西洋医学では対処しにくい、“原因のはっきりしない不調”に対して、有力な選択肢になっている。清水整形外科クリニック院長の清水伸一氏がいう。

「“膝の痛みを取るための痛み止め”といったように、ピンポイントの目的があるケースでは、西洋医学の薬の効果は高い。一方で、“膝の熱感を取る”“溜まった水を引かせる”といったケースでは、漢方薬のほうが有効なこともあるのです」

 他にも、

「西洋医学の薬と比べて効き目がマイルドなぶん、副作用も少ない」(上福岡総合病院名誉院長の喜多村陽一氏)

「“なんとなく頭が痛い、眠れない”といった症状があって、検査しても異常が見つからない患者さんに寄り添う手段の一つ」(昭和大学横浜市北部病院循環器センター教授・南淵明宏氏)

 など、分野をまたいで評価する声は多い。

※週刊ポスト2018年8月3日号

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