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帝国ホテル・日本初の「バイキング」レストラン誕生秘話

開店当時の一柳一雄料理長と新館料理長の村上信夫氏

 8月1日は「バイキングの日」。帝国ホテルが1958年8月1日に、日本で初めてブフェ形式のレストランを開店してから、60周年を迎える。

 1890年、明治の近代化に伴い「日本の迎賓館」として誕生した帝国ホテルは、130年近くにわたり海外の要人をもてなしてきた。世界に誇る超一流ホテルだが、日本初の「バイキング」を始めたことはあまり知られていない。

 その一翼を担ったのは、フランス料理界の重鎮で、のちに帝国ホテル第11代料理長となる村上信夫だった。

 1957年、帝国ホテルの社長・犬丸徹三は、第2新館のオープンにあたり、新しいレストランの形態を模索していた。そんなとき犬丸は、料理の大皿から自由に好きなだけ取って食べる北欧料理のスタイル「スモーガスボード」に着目。パリのホテルで修業中だった村上に「スモーガスボード」を研究するよう命じた。

 翌年、デンマークからシェフをはじめ3名の現地スタッフを招聘して、帰国した村上が中心となり、本格的なスモーガスボードレストランをオープンしたのが日本初のブフェ形式レストラン「インペリアルバイキング」だった。

 店名は、当時人気だったカーク・ダグラス主演の映画『バイキング』で海賊たちが豪快に食事をしていたシーンに着想を得て、社内公募で決まった。

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