こうアドバイスするのは、北アルプス・槍ヶ岳の山荘、標高3060m地点に立つ東京慈恵会医科大学槍ヶ岳診療所の管理者で医師の齋藤三郎氏。
一方、齋藤氏が、「役に立たない」と断言するのは、低酸素環境への備えとして持参する人も多い「酸素ボンベ」だ。
「小さくても意外と重いし、すぐに使い切ってしまうから荷物になるだけです」(同前)
いざ、本番がやってきたら、とにかく自分のペースで登ることが大切だという。同診療所で毎年ボランティア診療を行なっている医師の1人、油井直子氏がいう。
「若い人だと、頂上まで登ってから休もうとする人が多いが、60歳を過ぎたら40分歩いたら10~15分休むのが基本です」
●取材・文/吉田ヒロミ(医療ジャーナリスト)
※週刊ポスト2018年8月3日号