武井壮もBBQへ疑問のまなざし
「今の日本のBBQのやり方は、“あいまいな点”が多い。本場のアメリカでは、ホームパーティーに近い形で友人を自宅に招き、その家の主人が料理を振る舞う。だからホストとゲストがはっきり分かれ、誰が誰をもてなすのか責任の所在が明確です。ところが日本では、『みんなで適当に具材を持ち寄って焼こうよ』というふうに、会のイメージすらうやむやなまま始まってしまう。結果、誰も仕切ることができず、役割分担もうまくいかない」
多くの人が屋外での調理についての最低限の知識を持っていないことも問題だという。
「例えば、火をおこす時に炭をウチワで扇ぐ人がいますが、正しい火おこしを知っていれば扇ぐ必要はありません。扇いで舞った灰が食べ物につくのが嫌だという人もいるはず。また、本来は分離すべき生肉用と焼けた肉用の調理道具を使い回すなど衛生・安全面の知識も足りない。残念ながら、正しい知識と技術のある人が少ないのが現状です」(松浦さん)
大きな庭と一軒家を持ち、頻繁にホームパーティーを行うアメリカとは違い、庭も狭く、村社会から発展してきた日本の文化に、BBQはなじまないのかもしれない。
炎天下、張り付いた笑顔で無理にBBQをするよりも、明治時代から続く日本古来の「伝統的アウトドア食」である芋煮をすればいい──。そう主張するのは毎年9月に山形県で開催されている「日本一の芋煮会フェスティバル」の担当者だ。
「大きな鍋で里いもやねぎ、こんにゃく、肉などを煮込む芋煮は、具材にしっかり火を通すから食中毒の心配がないうえ、蓋をするからほこりも入らない。BBQだと火をおこしたり、肉を焼いたりする人にばかりスポットが当たりますが、芋煮会ではみんなで調理を分担して、できあがったらみんなで鍋を囲んで食べる。芋煮には“平等の思想”があるんです」
女性セブンはBBQブームに続いて芋煮ブームが来ると予測します!
※女性セブン2018年8月16日号