「昼休み中の外遊びを禁止し、水温が30℃を超えたらプールの授業も中止。生徒は授業中に水筒で持参したスポーツドリンクなどを自由に飲むことができ、少しでも体調が悪そうならエアコンのある保健室で休んでもらいます。また1日1時限は、エアコンのあるパソコン教室や図書室などで授業を受けられるようにプログラムを組んでいます」

 同小学校の女性教師も健康第一を心がけていると言う。

「各教室に2台ずつ扇風機がありますが、暑い空気をかき回すだけでほとんど効果がありません。とくに教室の中央には扇風機の風もこないので本当に暑く、教師は冷たいタオルで大量の汗を拭きながら授業を続けます。もちろん子供たちはもっと大変なので、時間を決めて水分補給させます。とくに体力のない1、2年生には気をつけて、『はい、水分を摂りましょう』などとこまめに声をかけます」

 子供を通わせる親は気が気ではない。

「水分補給のため、500mlの水筒を1リットル用に買い替え、冷たい麦茶を入れています。加えて冷凍庫で凍らせたスポーツドリンクを子供に持たせています。下の娘は体が弱く心配なので、上のお兄ちゃんに頼んで、ときどき妹の教室を見に行かせて、きょうだい一緒に登下校させました。それでも豊田市で亡くなった子供がいるので暑さは心配。早く教室にエアコンをつけてほしい」(小5と小2の子供を持つ母親)

 こうした声を受けてエアコン設置の動きが加速した。

「2年ほど前から市民や学校の要望が高まり、多治見市の小中学校すべてにエアコンを設置する方向です。時期は未定ですが、大まかな方針を9月に公表する予定です」(山本さん)

 7月17日に、小学1年生の男児が熱射病で死亡した設置率0.5%の愛知県豊田市も前向きだ。

「もともと総額71憶円をかけて2021年度までに市内の全小中学校にエアコンを設置する予定でした。今年の猛暑を受けて、できるだけ設置時期を前倒しするよう議論を進めます」(豊田市学校づくり推進課長の鳥居寿さん)

※女性セブン2018年8月16日号

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