八名:優先席に青年たちが座っていて、おばあちゃんが立ってる時は、「お前ら立て」って、声を低くして言うの。青年が立ったら背が高くて、こっちも半分怖いんだよ。こういう時は悪役の顔が利く。素直に引いてくれてよかったけどね(笑い)。
最近は、知らないおじさんおばさんが子供たちをしかることがなくなったね。おれが子供のころは、悪いことをしたら、大人がげんこつでしかってくれた。でも今は、他人の子は他人、って感じで、これはよくないね。
【八名信夫(やな・のぶお)】
1935年8月19日生まれ。岡山市出身。明治大学を中退し、東映フライヤーズ(現日本ハム)に投手として入団。しかし登板中のけがのため3年で引退し、映画俳優となる。1983年、悪役商会を結成。映画出演作は、『網走番外地』『仁義なき戦い』シリーズなど多数。2016年『おやじの釜めしと編みかけのセーター』で監督・脚本・主演を務めた。監督・脚本2作目となる『駄菓子屋小春』の完成無料上映会が9月22日(土)10時、9月24日(月)18時、熊本市電気館にて。以後全国で上映。
撮影■浅野剛