ライフ

心血管疾患予防と治療薬開発につながる「腸内細菌」の研究

腸内細菌研究最前線を紹介

 ヒトの腸内細菌は1000種類以上といわれ、100兆個ほどが大腸内に生息している。腸内細菌叢はバクテロイデス、ファーミキュテス、アクチノバクテリア、プロテオバクテリアの4グループに大別され、それに属する複数の細菌で全体の98%以上を占める。

 近年、腸内細菌について世界的に注目が高まったのは、ワシントン大学のゴードン教授が発表した肥満と腸内細菌の関係に関する研究だ。一卵性双生児の肥満の方の便を無菌マウスに移植したところ、体重と脂肪が増えたが、もう1人の痩せている方の便を移植しても変化がなかった。この結果、肥満と腸内細菌に関係がありそうだとわかった。

 神戸大学大学院医学研究科内科学講座循環器内科学分野平田健一教授に話を聞いた。

「近年、腸内細菌の遺伝子解析の技術が進歩し、病気の人の腸内細菌叢のパターンがわかるようになり、腸内細菌と病気に関する研究が世界的に広がっています。動脈硬化など心血管疾患に関しても、腸内細菌との関連が予想され、研究を始めました」

 動脈硬化は血管の内皮細胞が慢性炎症で障害されて進行する。この慢性炎症には腸の免疫が大きくかかわっている。神戸大学では、附属病院に入院している冠動脈疾患群39例、糖尿病や高血圧など心血管リスクを持つコントロール群30例、健常者50例の便の提供を受け、腸内細菌の比較を行なった。結果、健常者群では腸内の善玉菌のバクテロイデス属菌が多かった。対して冠動脈疾患群では、バクテロイデス属菌が少なく、悪玉のファーミキュテス門のラクトバチルス目の細菌が増加していることがわかった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
三浦瑠麗(本人のインスタグラムより)
《清志被告と離婚》三浦瑠麗氏、夫が抱いていた「複雑な感情」なぜこのタイミングでの“夫婦卒業”なのか 
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン