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無人スーパー、オーケーは43年前に世界初の店舗を展開していた

視察のため、米国のスーパーマーケットを訪れた時の飯田会長

 消費の低迷で大手総合スーパーが苦戦する中、2018年3月期決算の売上高は約3573億円と、31期増収を続けるスーパーがある。東京や神奈川など1都3県を中心に112店舗を展開する「オーケー」だ。

 創業60年の同社は、消費税が導入された際には、食料品価格の3%相当額の割引を実施したり、商品の良い情報だけでなく悪い情報も記載した「オネスト(正直)カード」を店頭に掲示するなど様々な取り組みを行い、多くの主婦の心を掴み業績を伸ばしてきた。

 こうした独自の取り組みは全て、アイディアマンであった創業者の飯田勧会長が手掛けたもの。昨今、AI(人工知能)を使った無人店舗のニュースを見聞きするようになったが、実はこの無人店舗構想も、43年も前から飯田会長が生み出していた。

 酒問屋「岡永商店」からオーケーが分離してまだ10年も経たない頃、「レジの待ち時間が短縮できたらお客さんも喜んでくださるだろう」との飯田会長の思いから、通産省が研究費用を出し、日立電子など電機メーカー3社も参加し、世界初の無人スーパーを手掛けることとなった。

 1975年5月、メディアにも大々的に取り上げられ、満を持して東京・国分寺に実験店舗がオープン。しかし、当時はパソコンはおろか、通信システムも盤石ではない時代。IDカードを使った自動買い物システムによる仕組みであった無人スーパーは、実現するには技術が圧倒的に不足していた。

 挑戦はあえなく失敗に終わったが、現在の技術でやっと実現した無人スーパーを、はるか昔から考案していた飯田会長の先見の明。すべては顧客の喜ぶ顔が見たい、という純粋な思いから生まれたものであった。

※女性セブン2018年9月6日号

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