◆「7回制」は一石三鳥
そこで私が提案したいのは、高校野球そのものを「7回制」に変更することである。
軟式野球やソフトボールのように試合を7イニングにすれば、当然ながら投球数は大幅に減る。現状では9回までの投球数が平均130球くらいなので、単純計算すると7回までなら100球程度になる。
また同点で延長に入ったら、ソフトボールのように最初からタイブレーク制を取り入れればよい。両方を併用すれば、たとえ一人で完投しても大半がアメリカで目安にしている100球程度に収まるはずだ。
「7回制」を取り入れるメリットはほかにもある。7回制なら試合途中のグラウンド整備も必要なくなるだろうから、現在なら1試合平均2時間余りかかるところが1時間半ほどですむ。そうすると1日に4試合行う場合でも、午前8時から試合を始めて午前中に2試合終えられる。
残りの2試合は日中の炎天下を避けて、少し日が傾き気温も下がる午後4時ころから行うようにすればよい。それによって熱中症のリスクは大幅に低下し、選手の疲労も軽減されるだろう。
そして、地区予選や練習試合も短時間で行えるようになれば、授業へのしわ寄せは小さくなり、引率する監督や部長の負担も軽くなる。「一石二鳥」どころか「一石三鳥」ではないか。