◆休養日の2日増も
さらに連戦が続く大会での体力的消耗を考えるなら、休養日を増やすよう提案したい。そうすれば決勝まで勝ち進むチームもずいぶん疲労の蓄積が防げるだろう。今年の大会でも準々決勝と準決勝の間には休養日があったので、準決勝と決勝の間にも設ければ、大会日程が実質2日伸びるだけで済むはずだ。
このような改革、とりわけ7回制の導入に対しては反対意見もあるだろう。
「野球は9回まで戦うものだ」とか、これまでの記録との整合性うんぬんといった、取るに足らない反対のほか、7回制の経験ではプロに入ったときに通用しないという懸念が出るかもしれない。しかし後の野球人生という点では、故障歴や消耗が少なくなる利点ほうがはるかに大きいだろう。
大阪桐蔭高校による大会史上初となる2度目の春夏連覇、103年ぶりとなる秋田県勢の決勝進出といっためでたい出来事にばかり注目が集まりがちだが、突きつけられているのは喫緊の課題だ。
金属バットやタイブレーク制の採用にしても、高校野球の歴史を変える大きな決断だったが、いまとなってみると決定的な不都合は生じていない。「選手ファースト」の視点から、思い切った決断が期待される。