ライフ

BBQ、魚捌き、洗髪、酒… 道の駅の駐車場マナー違反が酷い

道の駅の駐車場がキャンプ場のように…(写真はイメージ)

 近頃人気の「道の駅」だが、一方でその道の駅の駐車場がすごいことになっているらしい。女性セブンの名物還暦ライター“オバ記者”こと野原広子が道の駅の駐車場の現実をレポートする。先日、道の駅のトイレで、魚をさばき排水口を詰まらせてひんしゅくを買ったことがニュースになったが、それだけではないのだという。

 * * *
 道の駅は1991年に誕生して以来、年々増え続け、今年の4月には、全国で1145駅。

「駐車場は24時間オープンで0円。トイレも使えます。仮眠もOKだけど、宿泊、連泊はNG。駐車場での火気の使用は厳禁で、洗濯や、ゴミの持ち込みは禁止といういくつかの規則を設けているのが一般的です」と言うのは、キャンピングカーライターの浅井佑一さんだ。

 が、それが守られているかというと、さにあらず。この夏、私は「えっ?」という光景を何度か目撃している。お盆休みの最終日、山が見える北関東の道の駅に車を停めたら、肉を焼く強烈なにおいが漂ってきた。なんと初老の男女が大きなバンの陰に隠れてバーベキューしていたの。

“主謀者”らしき短パン親父は、ディレクターズチェアにお尻を沈めて、缶ビールをグビグビ。足元には蚊取り線香をいぶっていて、すっかり、“おれの場所”。

 伊豆では、車体から近くの木にひもを巡らせて、せっせとTシャツや綿パンを干していた40代男がいた。トイレ入り口の『シャンプー禁止』の張り紙が見えなかったのか、一心不乱に髪を泡だらけにする20代の短髪女子も見かけた。そうなると、道の駅に行くとマナー違反ばかり目について、いちいちカリカリ。

 前出・浅井さんは、「キャンピングカーは車内に設備が整っているから、マナーの悪い人はあまりいません。禁止されていることをしがちなのは、バンやワゴン車の人ですね」と言う。

「そう言われてみると、キャンピングカーで柄の悪いドライバーは見かけないけど、一般車のドライバーや同乗者はそれこそピンからキリ。そのキリの方が、最近どんどん悪くなってきているのよ」

 そう言うのは、茨城県内の道の駅でパートをしている友達のF子(66才)だ。なんでも、「この夏ほぼひと月、ウチの道の駅に居ついた60代の男が何人もいて、さんざんだった」と言う。

「最初は駐車場の奥の目立たないところに車を停めていたけど、そのうち、トイレの真ん前に車を移動させて、朝、他のお客さんが買い物に来る時間になっても動かない。炊事はするわ、トイレで服を洗濯したり、洗髪したり、ずうずうしいったらない」(F子)

 彼らの特徴は、「まずお金を使わない」こと。主食はあらかじめ箱買いして車に積んであるカップ麺で、お湯だけ店の電気ポットを使う。さらには、観光客を押しのけて、タイムサービスで供される試食品に手を出す。

 思い余って「長期滞在は困るんです」と声をかけたら、その日はいなくなったけど、翌々日にはまた顔を出す。F子は言う。

「今年の夏は夜になっても気温が下がらなかったから、エンジンをかけっぱなし。その音がうるさいと近所から苦情が入る。客ならまだガマンできるけど、タダで車を停めてトイレとお湯を使って、試食品まで食べていたら、泥棒でしょ!」

 こんな悲鳴が今、日本全国の道の駅から上がっている。

※女性セブン2018年9月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン