中国内陸部、広西チワン族自治区の山村で、1歳10か月の女児が道に迷い、4日間も行方不明になっていたが、警察や住民ら約700人が草の根をかきわけるような捜索活動を行った結果、急坂の途中の草むらの中から発見され、奇跡的に一命をとりとめていたことが分かった。
捜索活動の指揮をとった地元警察署署長は「行方不明から72時間以内に見つけないと生存率が急激に低下するが、その壁を越えた救出劇で、まさに奇跡だった」と振り返っている。地元紙「兪林日報」が報じた。
この女児、シャオジャオちゃんは、8月下旬の午後、自宅の近くの山の中で、一緒に遊んでいた4歳と6歳のきょうだいとはぐれ、山中に迷い込んでしまった。夕食の時間がきても自宅に戻らないことから、夜中に家族総出で捜したが、その日は見つからなかった。
シャオジャオちゃんがいなくなってから丸1日経った翌日の午後、父親が警察署に通報し、捜索を依頼。その際、警察署長は「捜索は早ければ早いほど見つかる確率が高くなるが、一夜明けて丸1日も経つと、行方不明者は遠くに行っており、心身の消耗が激しくなって、捜索活動は厳しくなる」と思ったという。
とにかく、早期発見のために、人海戦術で捜索するしかないことから、警察署の警察官全員と地元住民ほとんどが捜索活動に参加。計700人あまりでシャオジャオちゃんを探すことになった。
当時、この地域は雨期に入っており、数日間、雨が降り続いていたため、山道は滑りやすく、河川も増水していたことから、捜索は難航したという。