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「保険入れ歯は質が悪い」は本当か 入れ歯製作指導者に聞く

入れ歯の製作技術を指導する村岡秀明氏(撮影/岩澤倫彦)

 日本で「入れ歯」を使っている人は2000万人超と推計されているが、厚労省の調査によると、入れ歯の使用者の7割が、何らかの不満を抱いている。

 その理由を「保険では、良い入れ歯はできない」と言う歯医者は多い。果たして本当なのか。入れ歯の製作技術を指導する、村岡秀明氏(むらおか歯科・千葉県市川市)に疑問をぶつけた。

「痛くない、外れない、噛める入れ歯という点では、保険でも十分に良い入れ歯は製作できます。“入れ歯の名人”と言われている人は、保険と同じ素材(プラスチック系のレジン)を使っていますよ。

 ただし、良い入れ歯を作るためには何度も通院してもらい、調整に手間暇かける必要があります。それなのに、保険では1回の調整しか認めていません」

 上顎の総入れ歯を保険で製作すると、診療報酬は総額約4万2000円(3割負担で約1万2000円)。

 これには6回分の診療と、技工士に入れ歯の製作を委託する費用も含まれるので、採算割れギリギリだという。

●取材・文/岩澤倫彦(ジャーナリスト・『やってはいけない歯科治療』著者)

※週刊ポスト2018年10月5日号

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