早速、その映像を見返してみると、電動自転車に乗ったまま、止まってバナナを食べている男の姿がしっかりと映っていた。住民の話から、この男は村民ではなく、初めて見る顔であることが判明した。
このため、他の監視カメラの映像から、時系列的にこの自転車に乗った男の姿を追いかけていくと、男は上海市内のネットカフェに入っていった。警察はこのネットカフェを捜査し、映像の男を発見、職務質問したところ、その村での空き巣を自供。
男は「最近、仕事をクビになり、仕方がなく空き巣に入った。バナナを盗んだのも、ほとんど食事をしておらず、ものすごく腹が減っていた」などと話していたという。
この事件を報じた上海紙「新民晩報」傘下のインターネット・ニュース「新民網」は「何気ない住民の一言が犯人逮捕の決め手になるという極めて特異なケースだ。警察の粘り勝ちだ。ただ、バナナ1本を盗んだことで、逮捕された犯人はさぞかし驚いたのでは」などと報じている。