ライフ

「今日だけ休ませて」 小5女児が不登校を克服した方法

イラストレーターの野原広子さんが娘の不登校体験を語る(イラスト/たばやん)

 もしも自分の子供が「学校に行きたくない」と言い始めたらどうするだろうか…。誰にでも起こりうることだが、どのようにすればいいのか分からないという人も多いはず。ここでは、イラストレーター・野原広子さんによる、不登校に関する実例を紹介。もしものときの参考にしてほしい。

【プロフィール】
野原広子さん/イラストレーター。主婦目線のイラストやコミックエッセイを多数執筆。主な著書に『娘が学校に行きません』(メディアファクトリー)など。

 * * *
「お願い、今日だけ学校を休ませて」

 ある朝、小学5年生の娘が泣きながらこう言ったんです。少し前から娘の元気がないことに気づいていた私は、「いいよ」と即答。すると、生意気だった娘の口から、「このお母さんでよかった」という言葉が…。それほど追い詰められていたのかと思いましたが、この時はまだ、「少し休めばまた登校できる」と楽観的でした。ところが、「明日は行く」と言っても、翌朝になると「やっぱりダメ」という問答が1週間以上続き…。

 娘が不登校になったまま2学期に突入。堪忍袋の緒が切れた私は、車に娘を押し込み学校へ。すると、保健室の先生が迎えに来て、話しかけてくれたんです。

「たくさん頑張ってエネルギーがなくなったんだよね。まずは楽しいことをして充電しよう」

 翌日から娘は、30分~1時間ではありますが、保健室に通うように。保健室にいる間、娘がやっていたのは、ビーズ細工でした。時間を忘れて没頭し、気づけば昼や午後まで保健室にいられるようになりました。そしてビーズ作品が先生の間で評判となり、娘は頼まれて作品を作る喜びを感じるようになったのです。やがて、友達も保健室に集まるようになり、次第に娘の心がほどけていきました。そして3学期、ついに教室に復帰。「学校を休みたい」と言ってから198日目にして不登校が終わりました。

 今、大学生になった娘は、当時を振り返り、「あの時は幸せだった。お母さんが一緒にいてくれたから」と…。そういえば、校長先生に「お母さんは、そばで笑って見ていればいいんです」と何度も言われたことを思い出しました。

※女性セブン2018年10月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン