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日本の伝統と思われてるソメイヨシノ、本当はクローン桜

全国区になったソメイヨシノ(写真:アフロ)

「クールジャパン」の一角を成しているのは間違いなく日本の「伝統」だろう。だが、私たちが「伝統」と信じているものの中には歴史の浅いものが結構含まれている──。

 ソメイヨシノが日本全国で一気に咲くようになったのは意外にも第二次大戦後のことだ。

「戦前からあったたくさんの旧い桜が空襲で焼け、戦後は大規模な国土開発による空地ができたり、子どもが増えて学校が建てられ始めた。すると、花の数が多く、花盛りを迎えるまでの期間が他の桜の半分(10年)のソメイヨシノは、植える桜としてはぴったりだった」

 と語るのは東京大学の佐藤俊樹教授。

 ソメイヨシノは古来全国区ではなかった。さらに桜の特質上、自然交配ではどの木にも同じように美しい花を咲かせられない。「日本人は昔から観賞用植物をクローンで増やし、美しい花を“選抜”してきた。たまたま美しい花を咲かせた木から枝を一本取って挿し木にして増やす。それを大規模にやったのがソメイヨシノでした」(佐藤教授)。

 クローン作製こそ日本の伝統技術なのかもしれない。

※SAPIO2018年9・10月号

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