さらにドーミーインといえば、充実設備の天然温泉浴場を設けることで知られる。昨今、ビジネスホテルに温泉や大浴場は多く見られるようになったが、全国チェーンにしてここまで徹底しているのには驚きだ。
ドーミーインではサービスばかりでなく形態の多様化も進行中。「御宿 野乃(おやどのの)」は、ビジネスホテルの快適性と和風旅館の雰囲気を併せ持つハイブリッド的施設で、増加する訪日外国人旅行者にも人気を博することだろう。もちろん、前述した天然温泉、夜鳴きそばの無料サービスもある紛れもないドーミーインブランドだ。
大規模チェーンでなくても、細やかなサービスが人気の独立系や小規模チェーンは増えている。
例えば、最近ホテルの客室へ導入が増えてきている“LG styler”。クローゼット型のホームクリーニング機で、衣類のシワやニオイを取ってくれるビジネスパーソンには嬉しい優れモノだ。筆者の記憶では、九州で人気の「ホテルフォルツァ」で初めて見かけたが、その後、ロボットが接客することで有名な「変なホテル」、はたまたレジャーホテル(ラブホテル)まで導入は広がりをみせている。
もっとも、こうしたサービスは、何百店も展開する全国チェーンでは困難であろう。ホテルブランドには同一クオリティ、均一性が求められる。無料夕食やホームクリーニング機は、小規模チェーンや独立系のホテルだからこそ可能なサービスといえる。
サービスばかりではない。ハードにもビジネスホテルの差別化が見られるようになってきた。