そもそもビジネスホテルは“ローコスト”運営が基本。それは、ゲストからすれば宿泊料金であり、所有者からすれば建築物にも当てはまるかもしれない。そんな常識をアイデアで突きつめたホテルがある。コンテナ型モジュール建築を採用した「HOTEL R9 SANOFUJIOKA」(栃木県佐野市)だ。
コンテナ型モジュールだけに、現地での素早い組み上げによる大幅な短工期化を実現。移設や再利用も容易だ。一般的なビジネスホテルと比較して建設費はかなりローコストな分、設備やサービスへの充実が図れるという。
同ホテルはコンテナ型モジュールを活かしたリゾートホテルも九十九里浜に面した千葉・一宮町に誕生させている。こちらは全室ジャグジー付きのスイートタイプで、1泊2万円台で宿泊できる。
ビジネスホテルは使い勝手の良さが特性であり、機能性や利便性の高さが追求されてきたカテゴリーであるが、その一方で、高付加価値の提供という新たなフェーズに突入している。本来のローコストスタイルを踏襲しつつも、ゲストサービスの多様化、差別化をどう実現させていくか。今後も進化は続いていくだろう。