国際情報

中国南部進出の米国企業 7割が東南アジアなどに移転検討

中国でのビジネスの魅力が薄れてきた

 中国南部に進出している米国企業のうち約7割が今後、中国への投資を見送り、生産ラインの一部または全部を中国から東南アジアなどに移転する計画を検討していることが明らかになった。今年7月以降の米中両国による相互の追加関税措置発動により、ますます激化している米中貿易戦争の影響といえる。

 両国の対立の長期化が必至との予測が強まるなかで、大多数の米企業は、中国に進出している他の国の企業と比べて、米中貿易戦争から受ける損害が大きいと認識。そのため、米企業の中国離れが加速していきそうだ。ロイター通信が中国の華南米国商工会議所が発表した最新調査報告書の内容として伝えた。

 調査は今年9月21日から10月10日までに、219社の企業を対象に実施。そのうちの3割以上が製造業を占める。調査対象企業の64%は生産ラインの中国から移転を検討しており、北米に生産拠点を移すとの意思を示した企業は全体の1%にとどまった。

 調査結果によると、85%の米企業は、(米中両国の)関税制裁による打撃を受けており、米側の対中制裁による影響を最も強く受けているのは卸売業と小売業とのこと。中国当局の報復関税措置による影響は、米国の農業関連企業に集中しているという。

 華南米国商工会議所のハーレー・セアディン所長はロイター通信の取材に対して「企業の受注が減っている、または受注が入ってこなくなった」ことを明らかにしている。

 具体的には、同会議所加盟企業全体の約50%は、中国当局による監督管理の強化や通関手続きの遅延などを含む非関税障壁が増加していると指摘。ロイター通信は「これは中国当局による米企業の嫌がらせ以外の何ものでもない。中国当局による対米報復措置だ」との専門家の分析を紹介している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《真美子さんの“スマホ機種”に注目》大谷翔平が信頼する新妻の「母・加代子さんと同じ金銭感覚」
NEWSポストセブン
トルコ国籍で日本で育ったクルド人、ハスギュル・アッバス被告(SNSより)
【女子中学生と12歳少女に性的暴行】「俺の女もヤられた。あいつだけは許さない…」 執行猶予判決後に再び少女への性犯罪で逮捕・公判中のクルド人・ハスギュル・アッバス被告(21)の蛮行の数々
NEWSポストセブン
二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン