今年9月にはリーバイスジャパン社から、全国各地のワークショップやセレクトショップに向けて「リーバイス・ワークウェア」の卸販売を開始したとの発表がありました。作業着として生まれたリーバイスが再び作業服へと原点回帰したといえますが、それ以上に通常のジーンズショップやカジュアルショップに行き渡った結果、新たな販路を模索するとワーキングショップしか残っていなかったともいえます。
また、一般的には知名度がありませんが、創業3年のブリッツワークスという小規模アパレルがあります。ジーンズを中心アイテムとしているのですが、「ブルーモンスタークロージング(BMC)」というオリジナルブランドはなんと、創業3年で卸売り先が200店舗を越えています。
現在のカジュアルアパレル業界では人気ブランドも人気店も固定化されているため、新規ブランドがやすやすと卸売り先を増やすことはできにくい状態にあります。にもかかわらずBMCはわずか3年で200店舗以上の卸先を獲得しました。
主要な卸先はカジュアルショップよりも、その大半以上はワーキングショップやホームセンターです。ワークとカジュアルの融合「ワーカジ」という造語を掲げてスタートしたブランドですが、その言葉通りにワーキングショップやホームセンターに認められ、急速に店舗数を拡大したというわけです。
またワーキングユニフォーム業界も昔からカジュアル参入に何度も挑戦しています。ディッキーズというカジュアルブランドがありますが、昔はこれをワーキングユニフォームメーカー大手の自重堂がライセンス生産していた時期もあったのです。
ワークマンプラスは実はワーキングとカジュアルの融合の氷山の一角にすぎません。リーバイスの原点回帰や新興ブランドBMCの急拡大など、ワーキングとカジュアルの融合は急速に進んでおり、今後さらにその融合は一層深まるばかりだと考えられます。逆にいうと、今後「マス層」には機能性のない服は売れない時代になってしまうかもしれません。