加齢とともに厄介度も増すのが“お父さん”。その原因は、どうやら男性ホルモンのせいらしい。男性ホルモン研究の第一人者、順天堂大学の堀江重郎さんは、男と女の違いを男性ホルモンの観点からこう解説する。
「男性ホルモンは生殖機能のほか、筋肉や骨を強くして意欲や認知機能を高め、いわゆる“男らしさ”をつくります。外に出て獲物を追いかけ、仕留めて家族や仲間に与えるという“男の役割”は、男性ホルモンのなせるわざです。
一般的に加齢により男性ホルモン分泌は減る傾向にあって、それが意欲や筋力の低下、疲労感、不安感、記憶力の低下などの不調を招き、男性の更年期障害とも呼ばれます。
ただ女性のように必ず減ると決まっているわけではなく、高齢になっても現役でバリバリ仕事をしたり、趣味などの集まりで輪の中心になったりするなど、男らしさを維持している人もいます。つまり男性ホルモンの維持は介護予防にもつながるのです」(以下同)
ちなみに男性ホルモンが旺盛な人は、みんなに好かれ、求心力があるという。
◆男性ホルモン増強にはボランティア活動が◎
では男性ホルモンを維持するにはどうすればよいか。
「キーワードは【1】目的を持つ【2】競う【3】筋肉を使う【4】頼られる、そして【5】異性。象徴的なスポーツは、男性が大好きなゴルフです。1つのホールに向かって競い、『ナイスショット!』と褒めてくれる女性キャディーを伴ってプレー。男性ホルモンを増やす要素が満載です。ちなみに異性の年齢や容姿は関係なく、高齢の女性でも男性ホルモンが上がるというデータもあります(笑い)」
また、ホルモン低下で元気のないお父さんには同窓会。
「中学、高校時代の同窓会ならなおいいですね。男子同士、子供のようにじゃれ合いながらも微妙な力関係を競っている中・高生は、純粋に男性ホルモンが出まくる時期。当時の仲間が顔を合わせると、その活力がよみがえります」
そして何より大きな力になるのは頼られること。狩人心に火をつけることだ。
「高齢になっても、男として、手助けしてもらう立場になるのはやはり苦手なのです。自分の力で得た獲物を与える、つまり役に立って『ありがとう』と言われると俄然、男性ホルモンはアップします。
家では父親に料理を作ってもらい、みんなで褒めるのも手。さらに、他人から称賛されるともっと効果的です。それが叶うのがボランティア。目的を持って地域活動を行ったり、そこで役割を担ったり。単に趣味に興じるだけよりもずっと本人の“男らしさ”が発揮されるはずです」
※女性セブン2019年1月17・24日号