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「フレーバービール」はなぜ不発に終わってしまったのか

 一方、「グランマイルド」と同じ4月17日に、キリンは「グランドキリン ひこうき雲と私 レモン篇」、その後6月5日に「グランドキリン 雨のち太陽、ベルジャンの白」を発売。前者は副原料にレモンピールを、後者はオレンジピールとコリアンダーシードを使っている。

 こちらは「グランマイルド」よりも高価格帯ということや期間限定ということもあり、販売目標もそれぞれ約2万5000ケース、約3万ケースと控えめだった。キリンはビールメーカー4社の中で最もクラフトビールの普及に注力しており、「グランドキリン」シリーズや、自社で小規模醸造設備も持つ、前述のSVBがある。

 ほかにも「よなよなエール」で知られる、長野県・軽井沢町にあるヤッホーブルーイングに33.4%を出資。さらに米国の大手クラフトビールメーカー、ブルックリン社と資本業務提携してブルックリン・ジャパンも設立。また看板ビールの「一番搾り」も過去、キリンの国内9工場それぞれの地域特性の味わいを盛り込んだ商品も出してきた。また、家庭用のみならず、「タップ・マルシェ」という数種類のクラフトビールが飲めるマシンを飲食店向けに拡大している。

 もともと、米国などと比べてクラフトビールが占める割合は日本ではまだまだ低く、ジワジワと市場を拡大していくべきマーケットではあるが、キリンビールで執行役員マーケティング部長を務める山形光晴氏は、業界全体でビールの定義変更商品が不発に終わった点についてこう語る。

「マーケティング理論でいえば、認知→体験→リピートの3段階のうち、幅広い商品があるという認知まではいっても、お客様の体験がまだ少ない。体験を広めていくのは時間がかかります。ただ、ニーズは間違いなくあると思いますし、クラフトを広める当社としては、多様性のある商品は今後も増やしていく考えです」

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