昨年6月に第16代社長に就任した丸本明氏(撮影/山崎力夫)
──マツダは来年、創立100周年を迎えます。代名詞であるロータリーエンジン(※注/ローターの回転運動が生みだすエネルギーを動力に換える特徴を持つパワフルなエンジン。世界で唯一、マツダが実用化・量産化に成功した)の復活もありますか?
丸本:ロータリーエンジンのクルマをつくりたいというのは、マツダに入った人間の夢なんです。
アクセルを踏み込んでからの伸びのよさ、独特のエンジン音、もう肌にしみついていますから、こだわりはもちろんあります。小型・軽量なロータリーエンジンを発電機として活用するロータリーレンジエクステンダーを搭載したEV(電気自動車)の技術開発なども積極的に進めています。
しかし、ロータリーエンジン復活の夢を実現させるためには、まずは収益力を高めて安定的な経営基盤を築き上げるのが第一。それが社長としての私の重要な仕事だと考えています。
私の座右の銘は、ロータリーエンジン開発に携わった山本健一・元社長と同じ「飽くなき挑戦」です。開発・経営ともに飽くなき挑戦を続けていきたい。
●まるもと・あきら/1957年、広島県生まれ。慶應義塾大学工学部(現在の理工学部)卒業後、1980年、東洋工業(現在のマツダ)入社。1999年に取締役となり、常務執行役員、専務執行役員、副社長執行役員などを歴任。2018年6月より代表取締役社長兼CEO。
聞き手■福田俊之(経済ジャーナリスト):1952年、東京生まれ。経済誌編集長を経て、1999年からフリーとして自動車業界を中心に取材。著書に『最強トヨタの自己変革』など。
※週刊ポスト2019年3月1日号