病気やつらい症状を治してくれる「薬」でも、効き目が強いがゆえに、服用の量や仕方を間違えたり、個人の体質と合わなかったりすることで、逆に体調を悪化させる「毒」になることもある。そして、中には医師が「のまないほうがいい」と助言する薬もあるのだ。そこで、医師が「のまない」と言う処方薬を紹介しよう。
◆医者がのまない処方薬
※1種類のみの薬品は、販売名を記載。
【高血圧】
・製品名など(販売名)
→ARBやカルシウム拮抗薬などの降圧剤
・効能
→血管を広げたり、心臓の動きを抑えたりして血圧を下げる。
・のまない、使わない理由
→「年とともに血圧が上がるのは普通のこと。特殊な病気は別として、血圧を下げる薬は必要ない」(新潟大学名誉教授の岡田正彦医師)
「血圧の薬によって認知症患者が増えるという説もある」(『クリニック徳』院長の高橋徳さん)
【高コレステロール】
・製品名など(販売名)
→スタチン
・効能
→肝臓でのコレステロール生合成を低下させることにより、コレステロール値を下げる。
・のまない、使わない理由
→「筋肉が破壊される横紋筋融解症をはじめとして、副作用が多いため」(『クリニック徳』院長の高橋徳さん)
【インフルエンザ】
・製品名など(販売名)
→バロキサビルマルボキシル(ゾフルーザ)
・効能
→インフルエンザウイルスが細胞内で増殖するのをブロックする。
・のまない、使わない理由
→「副作用がないか、まだ未知数なのでもう少し様子を見た方がいい」(岡田さん)
【インフルエンザ】
・製品名など(販売名)
→オセルタミビルリン酸塩(タミフル)
・効能
→インフルエンザウイルスが細胞内で増殖するのをブロックする。
・のまない、使わない理由
→「嘔吐や下痢、腹痛などの副作用があるうえ、因果関係は明らかになっていないが、意識障害や異常行動などが表れたこともある」(『クリニック徳』院長の高橋徳さん)
【発熱や肺炎】
・製品名など(販売名)
→抗生物質
・効能
→細菌感染による炎症や化膿を抑える効果がある。
・のまない、使わない理由
→「細菌感染には効くが、ウイルスには効果がない。風邪の時にのんでもまったく意味がない」(東邦大学医療センター大橋病院・婦人科の高橋怜奈医師)
【認知症】
・製品名など(販売名)
→ドネペジル塩酸塩
・効能
→もの忘れなど認知症の症状を和らげる。
・のまない、使わない理由
→「最初は効果があるが3年経つと処方されていない患者と同じという実験結果がある」(高橋徳さん)
【頭痛・生理痛】
・製品名など(販売名)
→プレガバリン(リリカ)
・効能
→神経に作用して痛みを緩和する。
・のまない、使わない理由
→「効く根拠が薄いうえ、副作用で眠気が出たりふらついたりする」(高橋徳さん)
【花粉症など】
・製品名など(販売名)
→ステロイド
・効能
→体内の炎症を抑える効果がある。
・のまない、使わない理由
→「使い続けると免疫力が下がって、逆に症状が悪化してしまう」(健康増進クリニック院長の水上治さん)
※女性セブン2019年3月21日号