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天皇陛下、魚類学者として論文執筆 第一人者に尊敬の念も

天皇陛下は「魚類学者」でもある(宮内庁提供)

 天皇陛下は「魚類学者」として過去に論文を執筆したことがある。昨年3月発売の『日本魚類館』(小学館刊)では、ハゼに含まれるチチブ属について4ページの執筆を担当した。

 陛下に原稿を依頼し、編集と校閲作業を行なった京都大学名誉教授の中坊徹次氏が振り返る。

「以前より、魚類の研究に関して陛下と懇談させていただく機会がしばしばあったのですが、その際、日本の魚類研究の第一人者であった松原喜代松先生の『魚類の形態と検索』について感想を話されました。

 1955年の出版ですが、現在においても魚類学者のバイブルと言っていいものです。それを松原先生はたった1人で書き上げられた。その功績に、陛下は学者として大変尊敬の念をお持ちでした。

 また、絶滅したとされていたクニマスを私が2010年に発見した際、陛下は大島正満博士の『少年科学物語』のクニマスの項を、10代前半に読まれた頃のお気持ちを述べられていました」

 天皇としての姿とはまた違った、研究者としての情熱や喜びが伝わってくるエピソードである。

※週刊ポスト2019年3月22日号

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