ひょっとすると、そんな近未来の日本経済が見え隠れしているために、人々の間に悲観的な見方が広がっているのかもしれない。「令和」の時代にこの国が“第2の敗戦”を迎えることのないように、アベノミクスや異次元緩和のような「奇策」を改める判断が求められている。
【プロフィール】原真人(はら・まこと)/1961年長野県生まれ。早稲田大学卒。日本経済新聞社を経て、1988年に朝日新聞社に入社。経済記者として財務省や経済産業省、日本銀行などの政策取材のほか、金融、エネルギーなどの民間取材も多数経験。経済社説を担当する論説委員を経て編集委員。著書に『朝日新聞記者が明かす経済ニュースの裏読み深読み』(朝日新聞出版)『日本「一発屋」論-バブル・成長信仰・アベノミクス』(朝日新書)、共著に『失われた〈20年〉』(岩波書店)などがある。