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自転車で命を守る安全利用の原則「車道の左側を通行」

事故のリスクが高い右側通行(イラスト/高梨としみつ)

 小学生が歩行中に遭う交通事故は、新年度が始まったばかりの4月から5月に急増するという。5月の1か月間は、「自転車月間推進協議会」が中心となって、自転車利用者の交通ルール遵守および交通マナーの向上を図るための活動を行う「自転車月間」。改めて、安全に乗るための自転車ルールを確認しませんか?

◆自転車は車道が原則、歩道は例外

 道路交通法では、下記の例外を除き、自転車は車道を通ることが義務づけられている。違反すると、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる。

「1970年頃まで『自転車は車道を走る』ことが一般的でしたが、その後、交通事故の死者増加とともに、自転車は『歩道も通行可』になった時期があります。その時の認識を引きずったまま歩道を走る自転車が多い。自転車は、車道や自転車専用道を通るのが大原則です」(自転車ルール教習所の講師・岩切純一さん)

 自転車が歩道を通って歩行者と事故を起こした場合、ほぼ100%自転車側に責任を問われる。自転車は軽車両と呼ばれているが、扱いはあくまで自動車と同じなのだ。

【自転車が歩道を通行できる場合】
・「自転車通行可」の道路標識や普通自転車通行指定部分の道路標示がある歩道
・13才未満
・70才以上
・車道通行に支障がある身体障害者
・安全のためやむを得ない場合
(例)路上駐車車両が多く、かつ右側に避けるのが困難な場合/自動車の交通量が著しく多く、かつ車道が狭い場合/あおり運転、幅寄せ運転などの危険運転や理由なくクラクションを鳴らすなど、自動車を用いた暴行行為を行う人がいる場合など

◆歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行

 歩道を通る場合、自転車は車道寄りを徐行で通らなければならない。違反すると、2万円以下の罰金または科料が科せられる。この場合の徐行とは、時速7.5km程度で、大人の早足くらいの速度だ。

「自転車が歩道を通ると、脇から出てくる自動車や、交差点で右左折してくる自動車から見落とされやすくなります。歩道を通る時は、徐行して歩行者の安全を守りつつ、脇からの自動車や右左折の自動車が来ないか、充分確認しなければなりません」(自動車ルール教習所講師・高橋大一郎さん)

◆13才未満の子供にはヘルメットかぶせる

 保護者は13才未満の子供にヘルメットをかぶせる“努力義務”がある。

「ヘルメットをかぶせない状態で自転車ごと倒れると、建物の2階から落ちた時と同じくらいの衝撃を受けます。自転車事故の6割で頭部を強打しており、特に子供の場合、死亡につながりやすいので必ずかぶせましょう」(前出・岩切さん)

◆車道は左側を通行

 車道の左側通行ルールを違反すると3か月以下の懲役または5万円以下の罰金に。

「自転車の速度が時速20km、自動車が30kmの場合、左側通行ならば、速度差は10km。右側通行だと速度差が50kmになるため、衝突時の被害は甚大に。さらに左側通行をしてきた自転車が、右側通行の自転車を避けて、後ろの自動車に追突される危険もあります」(前出・高橋さん)

※女性セブン2019年5月2日号

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